« 大学Bチームの戦い | トップページ | ♪逗子の名店~Piccolo Vaso »

2007年11月15日

♯風が強く吹いている

直木賞作家 三浦しをん 著 ”風が強く吹いている” 

箱根駅伝を題材とした小説です。

実は箱根駅伝を題材とした小説ってあまりありません。

10区間ある箱根駅伝は、選手だけで10人、監督・補欠選手・マネージャー・家族など選手を囲む人々を含めたら相当な数の登場人物になる。
一方で、どんなにキャラの強い主人公であっても、箱根駅伝では駒のひとつ。
担当区間を走り終えると声援を送る側になってしまう。その選手の区間だけ取り上げても箱根駅伝の魅力は伝わらない。

そんなこともあり、小説になり辛いのかもしれない。

この ”風が強く吹いている” は、箱根未経験、長年休部状態だった 寛政大学が、才能・経験ある1年生 蔵原走(かける)の入部をきっかけに箱根を目指すという話だ。

但し、陸上経験者はチームを引っ張る 灰二と走の二人だけ。
残り8名は素人同然で、補欠もいない10名だけのチーム。
灰二の巧みなリードで、走ることの魅力、10名で箱根で襷を繋ぐ魅力に引き込まれ、徐々に力をつけていく。
まさかの予選会突破、そして本戦でも・・・

箱根駅伝が全国的に知名度を上げた昨今、箱根を走りたいという選手は多い。
なので、部員がいない、集まったのは10名だけ、というのがやっぱり小説・・・と思うが、子供の頃みていた箱根では長距離部員では10名が揃わなくて短距離選手もエントリーしているという大学があったような記憶がある。(あるいは解説の方が昔話をしていたのか・・・)

それに、現在の箱根駅伝参加大学のレベルや、陸上経験者を揃えても予選会突破の厳しさを考えると、にわかチームが箱根を走るのは夢物語・・・と思ってしまうが、読み進むうちに、メンバーのもつ潜在能力、灰二の名コーチぶり、走の抜きんでた才能に、こんな大学もあるかもと思わず思ってしまう。

全体としてテンポ良く展開していきます。
10人のドラマと見せ場もきちんとあるのに話が複雑や散漫になっていません。
自分も11番目の仲間として、箱根への道を目指し・走っている気持ちになってしまいます。

作中のチームメンバーが箱根駅伝の知識を得る形で、出場資格、予選会〜エントリー〜本戦までの決まり事なども紹介されています。
箱根駅伝の前に読むも良し、駅伝後の正月に読むも良し。
箱根好きの方にはもちろん箱根駅伝に今まで興味がなかった人にも是非手にとっていただきたい1冊です。

さて、作者の 三浦しをん さんがオープニングトークをする ”箱根駅伝シンポジウム”に今週末参加してくる予定です。

|

« 大学Bチームの戦い | トップページ | ♪逗子の名店~Piccolo Vaso »

♯箱根駅伝と、陸上と、、、」カテゴリの記事

兄貴・ガールのおすすめ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 大学Bチームの戦い | トップページ | ♪逗子の名店~Piccolo Vaso »