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2010年3月 5日

4回転論争 〜 現システムの功罪

”Champ with no quad 〜 4回転を跳ばなかった五輪チャンピオン” 
男子フィギュア 金メダリスト ライサチェック選手は今後 こう呼ばれてしまうのだろうか。。。

ここ数年 4回転ジャンプをプログラムに入れない選手も増え、4回転ジャンプが特別のもののようになってしまった。
ライサチェック選手も以前は4回転を跳んでいたのだが、今季は ”4回転回避”のプログラムで臨んだ

高橋大輔選手の ”フリーに4回転ジャンプを入れる”という発言を ”リスキー過ぎる””技に拘り過ぎ” とマスコミの論調は大反対だった(実際失敗するのだが)

小塚嵩彦選手のフリープログラムで成功を ”日本男子 初のオリンピックでの成功!”と各局が誤って報道するほど 4回転ジャンプ成功が久しく貴重なものになってしまった。
マスコミはかつて ”4回転を何度跳ぶかが勝敗の分かれ目だった”ことを知らないか、きっと忘れているのだ。

オリンピックで ”日本男子 初!”を決めた選手は 現在 解説者であり 髙橋大輔選手のサブコーチの本田武史氏だ
2002年 ソルトレークシティ(SLC)五輪のこと

当時20歳の本田選手は SP、FPとも4回転を成功させている(FPは着氷後に乱れるが。。)
2大会前の五輪では SP、FPに4回転を入れるのは メダルの絶対条件だった
ジャンプの数が3回のSPにも4回転を入れないとメダル争いにさえ加われなかった
4回転”回避”なんて選択肢はなかった時代だ。

実は私も 本田選手の活躍を(申し訳ないことに)すっかり忘れていた
ジャンプの名手で メダルを惜しくも逃したことは記憶していたが。。。

Youtube で 快心の演技のSPをみつけた
4回転+3回転の連続ジャンプ、3アクセル、3ルッツと全てのジャンプが大胆で速く美しい
プログラム全体も 今見ても 少しもあせていない

バンクーバーで 4回転を決めた 銀メダリスト プルシェンコ選手は 4回転(高難度)ジャンプを回避する現在の風潮と 高難度ジャンプの評価が低い現行採点システムに不満をあらわにし”フィギュアスケートの進歩は止まってしまった ”とコメント

フィギュアを近年熱心にみるようになった 私達は ”ジャンプは確かにそうかもしれないが、 スピンやステップは絶対進化しているよね〜”と言い合った
髙橋選手のステップ、ランビエール選手、小塚選手のスピン 等 ジャンプ以外の要素で魅せる選手も多くなった
プログラム全体でも 魅力ある見ていて面白いものが増えた、、、と思っていた。
なにせ 近年 表現力、プログラム全体の完成度を上げる採点システムである
ジャンプよりミスの無い各要素の質を上げることに努力してきたのだから。。。

しかし 先の本田選手のSP演技を見ただけでも プルシェンコの指摘に頷かざるを得ない
本田選手は この後 FPで 4回転が着氷後ステップアウトという 唯一しかし大きなミスを犯し 4位に後退 (Youtube 画像 FP演技
解説を聞くと、本田選手は 2種類の4回転ジャンプが跳べることが分かります。

複数種類の4回転ジャンプを持つ 本田選手でも4位に甘んじなければならないほど レベルが高かった

この時のメダリストは ロシア ヤグディン選手
SPで4回転+3回転の連続ジャンプ 3アクセル、3ルッツを含む完璧の演技

FPは今も語り継がれる 伝説の ”仮面の男” 
冒頭の4回転+3回転+2回転だけでも 最近のファンは息を飲んでしまう
ジャンプは単独4回転、2個の3アクセル、3個の3回転
ステップ、スピンも素晴しい これを超えるプログラムってあるのだろうか。

銀は プルシェンコ選手
驚くことに SPで転倒して 出遅れましたが FPの巻き返しは凄まじい
4回転+3回転+3回転、4回転、3アクセル+3回転ほか2つの単独3アクセル

銅メダルは こちらも圧巻 米 ゲーブル選手のFPは 3つの4回転(含む3回転との連続)、3つの3アクセル king of quad (4回転王)の愛称どおりの軽くて美しいジャンプ

なんという レベルの高さ
髙橋選手が4回転ジャンプを ”男子フィギュアの醍醐味”と評する理由がわかる
そして 昔はジャンプだけだったというのは 思い違いだと知らされました
演技時間が短く感じられるほど惹き込まれます
02SLC五輪レベルの戦いを また見てみたいものです

Youtube画像ですが、メダル争い 是非見ていただきたいものばかりです
(注 旧採点システムで 技術/演技点各6点満点の減点方式でした)
ヤグディン FP 
プルシェンコ SP(珍しく転倒してます)
プルシェンコ FP
ゲーブル FP

いったい 現採点システムがもたらしたプラス面はどこだったのでしょう?

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