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2013年10月30日

おやすみラフマニノフ

****   ご注意!!!一部ネタばれです。   ****

ミステリーファンが注目する賞 ”このミス” -- このミステリーがすごい!大賞で ”さよならドビュッシー” が大賞を受賞した 中山七里の 作品

題名からわかるように 音楽を題材にした ミステリーではちょっと異色の作品

ピアニストの岬洋介が事件解決に重要な働きをするシリーズもので、大賞受賞作 ”さよなら・・・” は既に 映画化もされているが、 私には ”おやすみラフマニノフ” が 数段面白かった

舞台は愛知音大という私立の音楽名門校
キーマンの岬洋介は この大学で講師を務める

事件は 大学保管の 名器 ストラディバリウスが 盗まれることから始まる
それも 警備員付きで 窓のない保管庫 という 密室で。。。

同時に 名ピアニストで大学の学長である 柘植彰良の出演が目玉の 定期演奏会の準備が着々と進む中、 今度は 学長が大切にしている ピアノが壊される
定期演奏会を中止させようとする者がいるのか、、、と 演奏会出演者が動揺してしまう

コンマスに選ばれた 城戸晶(この小説の主人公)は 自分の就職のためにも なんとしても 定期演奏会を成功させようとするが、、、

私は 音楽、特にクラシックを勉強する人、職業とする人の世界には 疎いのだが、非常に興味深く、楽しく 読み切ってしまった。

音大生の 就職への不安・現状が 現実味をもって 語られる一方で、小説内で披露される楽曲の説明の素晴らしいこと

その作品の特徴、作曲家や時代背景にも触れ、演奏している場面が頭の中で描けるような描写
主人公が演奏しながら脳裏に浮かぶ様を 文面に落としているのだが、そのテンポ良さといい、的確な言葉選びといい、音は聞こえなくとも 文章を追いながら 頭のなかで音符が踊ってくる気持ちになる

兄貴は 音楽のスポコン版との感想を持ったらしいが、演奏の場面は まさに スポーツ小説の緊迫した試合展開を描写した物語に近い、リズム感・緊張感に 惹きこまれてしまった。

作者 中山七里氏の 詳しい経歴は明かされていないが、音楽(業界)に深く関係している人かと 誰もが思ってしまう
しかし、ご本人は音楽には全くの素人で 楽器もひけないと、報じられている
信じがたい、、、と思ってしまうほど、充実した内容だった

その上で ミステリーの要素もきちんと押さえられている

この”岬洋介シリーズ”のほかに 麻薬捜査官を主人公にした小説もあり、今後の作品に多いに期待した 作者である。

最後に この小説の一番の見せ場となる 定期演奏会の 演目は 「ラフマニノフピアノ協奏曲第二番」
フィギュアスケートの浅田真央選手が ソチ五輪のフリーに選んだ曲

ラフマニノフがこの曲を作るまでの苦悩の人生についても語られており、浅田選手の今期の演技をみる度に この小説を 思い出してしまう

このミス大賞受賞作

岬洋介シリーズの最新作

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