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2019年4月23日

蜜蜂と遠雷

*****ご注意! 一部ネタバレがあります! *****

蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ]

昨年我が家が多いに楽しんだ 浜コン こと 浜松国際ピアノコンクール
(関連記事 その1その2 )

蜜蜂と遠雷 (恩田陸 著)はこのコンクールが舞台となっている 直木賞受賞作品(2017年第156回)

コンクールにエントリーした 面々が繰り広げるコンクールという場でのピアノ・音楽との向き合い方とともに、そのコンテスタントを採点する審査員の視点からも書かれていてとても興味深い。

エントリーしたコンテスタントのうち、4名に焦点をあてて語られる。
著名ピアニストどころか正式に師事してピアノを学んだことがない15歳の少年風間塵
天才少女として将来を嘱望されていたが母の死去でピアノから離れていた大学生になった 栄伝亜夜
現在は楽器店勤務の普通のサラリーマンの高島明石は、年齢制限ギリギリの今大会にコンクール最後の挑戦として挑む
そして名門ジュリアード音楽院から送りこまれたマサル・C・レヴィ=アナトールは 栄伝亜夜と幼いことに繋がりがあった。

物語は 実際の浜松国際ピアノコンクールが運営されていく流れですすんでいく。

即ち 予備審査、コンクールの1次予選、2次予選、3次予選、そして本戦
審査方法、予選通過の発表方法や予選通過者の掲示、落選者へのフォローなど 浜コンのしきたりに合わせて語られている。
また コンクールのタブーや選曲の方法・考え方等 細かく丁寧な取材を感じさせられる点も多い。

コンクールの演奏場面もそれぞれのコンテスタントの性格や 選んだ作品に合わせて詳細かつ繊細に描写されている。

読み進めていくと、自分の知っている曲は頭の中でその曲が流れているような、的確な表現だったり、ハッと気づかされる描写もあった。
知らない曲を聞いてみたいと思わせたり、プロを目指す人達が感じたり求めたりするピアノ・音楽の領域も垣間見れる描き方で、どんどん惹きこまれる作品だった。

昨年の浜コンでは本作品で登場した コンテスト会場周辺のスポットが載った 蜜蜂と遠雷 マップも登場したと聞いています。

昨年の浜コンはチケットが入手できなかったが、3年後の次大会は是非足を運びたいと思っている。
浜コンファンも 本作品ファンも きっとまた盛り上がることでしょう。 

作品に登場した作品を集めたCDも複数発売されています。

完全版は コンスタント毎に全曲が収録されていて、予選通過ごとに演奏時間が長くなるコンテストならではの集中力を強いられる緊張感も感じることができるかもしれませんね。

本作品は既に映画化が決定されて、秋に公開予定

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